在宅勤務手当を支給するメリットとは?平均相場や課税可否についても解説

新型コロナウイルスの影響により、ネット回線などを利用した在宅勤務にシフトする企業が、いま急速に増加しています。

在宅勤務は、従業員の感染予防対策になる一方で、自宅を仕事場にするための備品購入や通信費など、新たなコストが発生します。

さらに自宅に居る時間が長くなれば光熱費の自己負担が大きくなり、従業員が待遇に不満を持ち、仕事に対するモチベーションが下がる恐れがあります。

そのため企業側が従業員に対し、一定額の在宅勤務手当を支給して、これらの不満を解消し、在宅勤務を円滑に進める必要があるのです。

そこで今回は在宅勤務手当を支給するメリットや平均相場、課税率の可否について、詳しく解説していきます。

在宅勤務手当とは?

在宅勤務手当とは、在宅で仕事をする従業員に支給される手当のことです。

なぜこのような手当が必要なのかといえば、会社から自宅へ仕事場を移動し、ネット回線や在宅勤務用の椅子やデスクなど、従業員が負担する費用が新たに発生するからです。

また自宅で仕事をすれば、その分だけ光熱費も余計にかかります。これらを企業側が手当として支給し、従業員の金銭的な負担を減らす制度が在宅勤務手当です。

在宅勤務手当を支給する3つのメリット

従業員に在宅勤務手当を支給すると、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか? 

大きくは下記の3つが挙げられます。

①通勤手当カットによる経費削減

在宅勤務中は特定の出社日を除き、通勤手当が必要ありません。

そのため不要になった通勤手当を削減し、その何割かを在宅手当に振り向ければ、企業側は新たな経費を負担することなく、従業員に在宅勤務手当を支給できるようになり、同時にコストカットが実現できるのです。

②働きやすさの向上

在宅勤務は仕事場が自宅のため、従業員は会社の基準や規格にとらわれることなく、自分の作業環境を改善できます。

例えば会社の椅子が座りづらいから「買い替えたい」と思っても、なかなかできませんが、自宅用ならば、すぐに買い替えて改善が可能です。しかし新たにネックになるのが椅子の購入費用で、これを従業員が全て自己負担で賄うのは大変です。

しかし購入費用の一部を企業側が在宅勤務手当で負担すれば、従業員は自分の使いやすい椅子をスムーズに購入でき、仕事の効率が大きくアップする可能性があるのです。

③従業員のモチベーションアップ

在宅勤務は通勤の煩わしさや勤務時間から開放される一方で、勤務時間と私用時間の区別が曖昧となり、従業員の働く意欲がダウンする恐れがあります。

しかし企業が月々在宅勤務手当を支給すれば、従業員は在宅勤務の意義を再認識してモチベーションがアップし、仕事に対する意欲を高めることができるのです。

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在宅勤務手当の相場・平均

在宅勤務手当の具体的な支払い実績や、平均的な支給額はどのようになっているのでしょうか?

これらについては大手人材派遣会社の「エンワールドジャパン」が、外資系企業とグローバルビジネスを展開する日系企業など、あわせて269社を対象に興味深いアンケート調査を行っています(※1)。

このアンケートでは269社全体、外資系企業、日系企業という、3つの調査結果が詳細に示されています。

手当の支払い実績

全体

  • 支給無し 67%
  • 毎月一定額を支給 20%
  • 単発で一時金を支給 7%
  • 在宅勤務用の作業環境整備費 6%

外資系企業

  • 支給無し 67%
  • 毎月一定額を支給 21%
  • 単発で一時金を支給 5%
  • 在宅勤務用の作業環境整備費 7%

日系企業

  • 支給無し 67%
  • 毎月一定額を支給 20%
  • 単発で一時金を支給 12%
  • 在宅勤務の作業環境整備費 2%

269社全体の20%が「毎月一定額の在宅勤務手当を支給している」と答えた一方で、67%が「支給無し」と回答しています。

他に一時金を単発で支給した企業が7%、在宅勤務の作業環境整備にかかった費用のみを負担する企業が6%となり、外資系企業の調査結果も、これとほぼ同じです。

対して日系企業は一時金を単発で支給する割合が12%と高く、在宅勤務の作業環境整備費の支給が、2%という低い結果になりました。

毎月の平均支給額

全体

  • 3,000円未満 15%
  • 3,000円以上~5,000円未満 38%
  • 5,000円以上~10,000円未満 37%
  • 10,000円以上~30,000円未満 10% 

外資系企業

  • 3,000円未満 18%
  • 3,000円以上~5,000円未満 41%
  • 5,000円以上~10,000円未満 35%
  • 10,000円以上~30,000円未満 6%

日系企業

  • 3,000円未満 11%
  • 3,000円以上~5,000円未満 33%
  • 5,000円以上~10,000円未満 39%
  • 10,000円以上~30,000円未満 17%

この結果をみると、外資系企業が全体の平均に近く、手当の支給金額を抑えているのに対し、日系企業はより手厚く支給を行い、10,000円以上から30,000円未満が17%になるなど、全体の平均が少し高くなっていることがわかります。

一時金(単発)の平均相場

全体

  • 3,000円以上~5,000円未満 11%
  • 10,000円以上~50,000円未満 53%
  • 50,000円以上~100,000円未満 26%
  • 100,000円以上 11%

外資系企業

  • 3,000円以上~5,000円未満 13%
  • 10,000円以上~50,000円未満 63%
  • 100,000円以上 25%

日系企業

  • 3,000円以上~5,000円未満 9%
  • 10,000円以上~50,000円未満 45%
  • 50,000円以上~100,000円未満 45%

こちらも外資系企業と日系企業の差がよく現れています。

外資系企業は多額の一時金を支払うか、ある程度金額を抑えるかの二通りに別れる傾向があり、日系企業は一定額以上の一時金を支給する割合が、外資系企業より20%も高くなっています。

定期代の支給

全体

  • 購入費用を支給停止し出勤日数に応じて支払う 65% 
  • 購入費用を支給している 25%
  • その他+以前から支給せず 9%

外資系企業

  • 購入費用を支給停止し出勤日数に応じて支払う 67%
  • 購入費用を支給している 21%
  • その他+以前から支給せず 12%

日系企業

  • 購入費用を支給停止し出勤日数に応じて支払う 62%
  • 購入費用を支給している 31%
  • その他 7%

定期代はコスト削減の対象になることから、若干の違いはあるものの、出勤日数に応じて支払う企業が60%を超えています。日系企業は「定期代の購入費用を支給する」と回答した割合が31%で、外資系企業に比べ10%高くなっています。

その他、新型コロナウイルス対策のマスクや消毒液の購入費用について「支給しない」と回答した割合が、全項目で90%以上になりました。

※1:在宅勤務における企業の従業員サポート調査|エンワールドジャパン

在宅勤務手当は課税?それとも非課税?

在宅勤務手当は「課税対象なのか?それとも非課税なのか?」これは企業にとって重要な問題です。

国税庁によれば、在宅勤務手当は下記のように定義されています(※2)。

在宅勤務に通常必要な費用について、その費用の実費相当額を精算する方法により、企業が従業員に対して支給する一定の金銭については、従業員に対する給与として課税する必要はありません

※2:在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ|国税庁

つまり国税庁の指定する精算方法で「業務に必要な費用」だと証明できれば、非課税にできるのです。しかし非課税を証明するための精算方法は、煩雑な事務手続きと、国税庁が指定する複雑な計算式が必要です。

そのため在宅勤務にかかわる経費は、簡単かつ明確に非課税と区別できるもの以外「全てが課税対象になる」と考えるのが合理的でしょう。

事務用品や消耗品

事務用品は企業側が現物を貸し出し、あとで返却する場合は非課税です。

ただし個別に現物を支給して従業員に所有権が移り、その後も返却しない場合は課税となり、従業員に購入費を支給したときも同じく課税対象です。

これらはパソコン、間仕切り、カーテン、椅子や机、空気清浄機などが代表的なものです。

他にマスク、消毒液、石鹸、消毒液、消毒用ペーパー、手袋などの消耗品も、個別に業務用か私用かを問われるため、現物支給や購入費の支給にかかわらず、基本的に課税対象と考えましょう。

通信費と電気料金

電話料金は基本使用料を除き、通話明細書などで「業務上の通話」だと証明できる場合は非課税になります。ただし業務電話を頻繁にかける仕事、たとえば営業職の通話料などは、別途証明が必要なため、基本的に課税と区分されます。

ネット接続に関連する通信料は業務と私用の区別が難しいため、基本的に課税となります。また電気料金を非課税とするには、床面積などの複雑な計算式が必要なため、課税と考えましょう。

レンタルオフィス

自宅に仕事場のスペースが無く、従業員がレンタルオフィスを利用した際の利用料は、費用の支給や、従業員による立替払いにかかわらず、利用の際の領収書があれば非課税です。

在宅勤務手当を支給するポイント

前項では在宅勤務手当の課税と非課税について解説しましたが、これらは手当の支給や精算の方法を誤ると、社内や従業員に無用の混乱を招く恐れがあります。

そのため在宅勤務手当を新たに導入する際は、それらに伴うルールを予め作成し、従業員によく説明することが大切です。

支給方法や精算方法を明確にする

次は在宅勤務手当の支給方法や精算方法を、具体的に決めていきます。

例えばレンタルオフィスを利用するときは必ず領収書を貰い「あとで精算する」と告知すれば、従業員も理解しやすくなります。

事務用品に関しても現物を貸与するか個別に支給するかで、課税非課税が変わるため、支給の方法を予め明確化しましょう。

在宅勤務手当に関するルールを整備する

在宅勤務手当は椅子や机などの備品や通信費、電気代などに対して支給が行われるため、従来の就業規則に新たなルールを追加して整備する必要があります。

例えば以下のようなことを追加するとよいでしょう。

  • 在宅勤務の意義とは
  • 在宅勤務の対象者と手続き方法について
  • 在宅勤務の労働時間と管理の方法
  • 在宅勤務時の通信費や電気代の支給について

これらの項目を従業員に周知徹底すれば、スムーズな運用ができるようになります。

在宅勤務手当の支給は必要に応じて

本記事では在宅勤務手当のメリットや、備品や通信費、電気料金に関しての課税区分と、在宅勤務手当の平均相場や企業動向、支給や精算に関する新たなルール作りなどを詳しくご紹介しました。

やはり在宅勤務手当は、支払いと精算の方法を予め明確化し、その時々の必要に応じて支給するのが合理的な方法です。

そのまま上手に在宅勤務手当の運用を続ければ、従業員のモチベーションがグンと引き上げられ、企業活動における「大きな活力」となるでしょう。

在宅勤務手当の支給や運用についてお悩みの方は、ぜひ本記事を参考に制度改革やルール作りに取り組まれてみてください。

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