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営業日報は意味ない?必要性や目的を解説!書き方のポイントもまとめ

公開日:2022.04.29 更新日:2023.10.03

その日の営業活動を記録し、報告するための書類である「営業日報」。多くの営業チームで活用されている施策ですが、実は有効活用しきれていないケースも少なくないようです。そこで本稿では、営業日報について、その概要や実施する目的、形骸化してしまうパターンを紹介し、営業日報をより効果的に運用するためにはどうすればよいのかについて、設計と運用のポイント、営業日報の書き方といった視点から解説していきます。

この記事のポイント
営業日報とは、「その日の営業活動を報告する書類」のこと上司や会社だけでなく、提出側の部下にとっても意義のある取り組み書き方のポイントは、「数字を交えて具体的に書き、定性面のコメントも入れる」こと

営業日報とは

営業日報とは、読んで字の如く「その日の営業活動を報告する書類」のことです。主に、営業職の方が書いて提出するものであり、提出先は直属の上司が一般的ですが、営業部など特定の部署やグループを宛先に提出するケースもあります。

具体的な報告内容は、業務の特性や組織の目的によって異なりますが、基本的な項目はどのようなケースにおいても大体同じです。主に、以下の項目に沿って記入します。

項目内容
今日の目標その日の営業活動における目標(例:アポ10件獲得)
活動内容その日の活動内容。時系列で書くことが多い
成果その日に挙げられた成果(例:〇〇社と次回商談を獲得)
所感その日の活動の感想。得た気づきや反省などを書く
明日の目標明日の営業活動における目標

営業日報を書く目的

営業日報を書いている方の中には、「なぜ書かないといけないんだろう?」「これ、意味あるのかな?」と疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。営業日報は、それ自体が営業活動に直接的に関与して、収益を生み出すことはありません。そのため、収益を生み出すことを命題としている営業職の方にとって、あまり意義のある業務ではないように感じられることもあるでしょう。

しかし実は、営業日報は、上司や会社だけでなく、提出する側である部下の視点から見ても、大きな意味をもつ業務です。ここからは、営業日報を書く目的を、立場ごとに解説します。営業日報を書く目的を理解し、その意味を感じ取れるようになれば、日々の「営業日報を書く」という作業に、やりがいや意義を見出せるはずです。

上司にとっての営業日報

上司の視点から見た営業日報の目的は、大きく分けて2つです。

1つ目は、チームマネジメント最適化のためです。上司は、管理するチームのパフォーマンスを向上させる役目を担います。そのためには、チームのメンバーが、どのような状況や状態なのかを把握することが重要です。抱えている案件の量や進捗状況、モチベーションの状態などを把握する必要があります。それらの情報をもとに適切な人員配備を検討し、パフォーマンスを最大化するためのマネジメントを行います。

その中で、営業日報は、これらの情報を効率よく収集するための施策として機能します。チームのメンバーがどのような状況にあるのか、モチベーションの状態はどうなのかといった情報を、日次で把握することが可能です。営業日報で得た情報をマネジメントに活かすことで、チームパフォーマンスの向上を狙うことができます。

2つ目の目的は、部下の成長を促進するためです。営業日報から部下の状態を把握できることで、適切なタイミングで部下をフォローできるようになります。

部下にとっての営業日報

部下の視点から見た営業日報の目的は、大きく分けて2つです。

1つ目は、自己成長の速度を早めるためです。ビジネスパーソンとして成長するためには、定期的に自身の活動について振り返りを行い、至らない部分の改善を図ることが重要です。営業日報を書くことは、自身の営業活動を振り返ることにつながります。また、日次という短いスパンで振り返りが行えることによって、課題の発見から修正までのサイクルを短くすることが可能です。営業日報の作成を通じて、営業活動の振り返りから修正までのサイクルを、日次という短いスパンで回すことができ、結果として、自己成長の促進につなげられます。

2つ目は、営業活動の効率化を図るためです。業務量が増えてくると、案件ごとの進捗状況や担当している作業領域について、正しく把握することが難しくなります。この状態を放置すると、タスクの抜け漏れや対応品質の低下が発生してしまい、案件の失注を招く恐れがあります。営業日報を書くことで、営業活動の整理が行えるようになり、より効率的な動き方を実践できるようになります。

例えば、各案件の状況について、頭の中だけで整理しようとすると、それぞれの情報が混ざり合って、混乱してしまう恐れがあります。これらの情報を業務日報にアウトプットすることで、他者の視点を意識した精度の高い業務整理が期待できるだけでなく、上司やチームメンバーにも情報共有ができるので、仮に担当者自身が忘れてしまったときも、チーム内でフォローすることができます。

会社にとっての営業日報

会社の視点から見た営業日報の目的は、大きく分けて2つです。

1つ目は、現場の状況把握に役立てるためです。経営層は、経営視点から会社のことを考えているので、着目するポイントが中長期的な目線に寄りがちです。会社経営において、中長期的な視点から検討を行うことは非常に重要ですが、同様に、「現在の現場状況」といった短期的な視点も、中長期で経営を考える際には大事な要素のひとつといえます。営業日報は、まさに“現場の今”を取りまとめた報告書類です。営業日報を読むことで、現場の状況を速やかに把握することができます。

2つ目の目的は、ナレッジマネジメントを行うためです。ここでいうナレッジとは、会社が過去の活動において蓄えてきた「知見」や「経験」を意味し、ナレッジマネジメントとは、蓄積したナレッジを適切に管理し、必要に応じて活用していくことを意味します。営業日報を書いてもらうことで、各従業員が経験したことや気づいたことを、組織のナレッジとして集約できるようになります。蓄えたナレッジは、会社の資産として活用することが可能です。

営業日報が形骸化する3つのパターン

前章で解説したように、営業日報は会社や上司だけでなく、部下自身にとっても大きな意味のあるものです。しかし、施策として実施している会社の中には、営業日報が形骸化し、その目的を果たせていないケースも多いのではないでしょうか。ここでは、営業日報が形骸化してしまう3つのパターンを紹介します。

①有効活用されていない

1つ目は、社内で営業日報が有効活用されていない、もしくはその周知ができていないパターンです。このような状況に陥ると、部下は営業日報を作成する意味が見出せないため、「会社にいわれているから、とりあえず提出する」といった思考になり、形骸化が進行します。部下に意味や目的を理解してもらうためには、会社として、営業日報をどのように活用するのか、活用していることをどうやって周知するのかを、きちんと検討しておく必要があるでしょう。そうすることで、作成する部下も営業日報にメリットや価値を見出すことができ、目的意識をもって作成にあたることができます。

②仕組みに問題がある

2つ目は、営業日報の仕組みに問題があるケースです。作成する場所や方法に制限があると、営業日報の作成や確認にあたってのハードルが上がり、本来の目的を果たせるクオリティで運用することが難しい場合があります。

例えば、専用の紙に手書きで記入し、指定のボックスに投函するといった仕組みで営業日報を運用しているケースを想定してみましょう。この場合、営業日報の提出や確認に際して、指定のボックスまで本人が直接赴かねばなりません。営業日報は意義のある施策ですが、このように大きな工数がかかるようだと、対応の優先度が下がってしまいます。収益に直結するものではないので、なおさら後回しになるでしょう。そうなると、営業日報に割くリソースが削られていき、形だけの意味がないものとなってしまうのです。

③目的が共有されていない

3つ目は、営業日報を書く目的が社内に共有されていない、もしくは理解が浸透していないパターンです。このパターンは、これから形骸化が進行するというより、すでに形骸化が起きている状況といえます。なぜなら、形だけの施策として実施されている状況だからです。営業日報は、書いたり読んだりするだけで、大きな効果が得られる施策ではありません。目的意識をもって向き合うことで、初めて施策本来のポテンシャルを引き出すことができます。そのためには、営業日報を施策として行う理由を、会社側がしっかりと社員に伝える努力を行う必要があります。

営業日報の設計・運用|2つのポイント

会社として営業日報という施策を成功させるためには、設計と運用において2つのポイントを押さえることが重要です。これらのポイントを押さえることで、施策の形骸化を抑止することができます。それぞれのポイントについて、解説します。

①書き手と読み手がメリットを感じられるように

1つ目は、書き手と読み手がメリットを感じられるように設計を行うことです。営業職の方にとって、収益に直接結びつかない営業日報は、時間をかけて行う価値を見出しづらいものです。書く立場にある部下だけでなく、日報を読む上司にとっても、それは同様といえるでしょう。だからこそ、施策を設計する段階で、書き手と読み手の両方がメリットを感じられるように検討を行うことが大切です。そうすることで、施策に対して自発的に取り組んでもらえるようになります。

例えば、書き手のメリットとして、書いた日報にコメントがもらえる仕組みはモチベーションのひとつになるでしょう。「きちんと見てもらえているんだ」と感じ、クオリティの高い日報を目指す動機になるはずです。また、読み手のメリットとしては、日報の中で、業務改善のヒントを得られるようなポイントがあると、営業日報を読むモチベーションが高まるでしょう。具体的には、「今日の気づき」といったような、書き手が得たナレッジを知れる項目があれば、日報を読むことに対して能動的になれるはずです。

②運用にかかる負担を最小限に抑える

2つ目のポイントは、運用にかかる負担を最小限に抑えることです。営業日報は、それ自体が収益を生み出す施策ではないので、できる限り、少ない負担で実施できることが理想です。そのためには、営業日報を書くことや確認すること、それらを集約して経営に役立てることのどれもが、簡単に行える必要があります。

例えば、専用のアプリを活用してスマートフォンから作成や確認を行えるようにしたり、データ集計を自動化して分析にかかる工数を削減したりなどの工夫を行うことで、営業日報の運用にかかる負担をより小さく抑えることができるでしょう。

営業日報の書き方|3つのポイント

これまで、営業日報を書く目的や形骸化するパターン、設計と運用のポイントについて解説してきました。これらは、どちらかといえば会社側の視点で見たときに役立つ情報です。ここからは、営業日報を実際に書く人にとって役立つ情報を紹介していきます。

まず始めに、この章では、営業日報の書き方について、3つのポイントを解説します。

①具体的に書く(定量的に書けると◎)

1つ目は、できる限り具体的に書くことです。数字を交えて定量的に書けると、なおよいでしょう。営業日報は、上司やチームメンバーといった他者が読むものなので、表現の抽象度が高いと、相手に内容を理解してもらえない可能性があります。

例えば、「今日の展示会は、たくさんのお客様と話せました。名刺もいっぱい交換しました」だと、実際にどれくらいのお客様と話したのか、相手が正確にイメージできません。「今日の展示会では、20名のお客様と話すことができ、そのうち10名と名刺交換ができました」といったように、数字を交えて具体的に書けると、相手に対して正確に内容を理解してもらえるでしょう。

案件の状況を報告する場合においても、同様です。例えば、商談結果を日報に書く場合、何を話したのか、相手はどのような反応だったのかといった、詳細な情報まで書けるとよいでしょう。そうすることで、上司が正確に案件の状況を把握できますし、万が一、社内で案件の担当者が変更となったときにも、営業日報が対応履歴として記録されるので、スムーズな引き継ぎが行えます。

②商談状況を詳細に書く

2つ目のポイントは、商談状況を詳細に書くことです。1つ目のポイントである「具体的に書く」と重なる部分はありますが、営業活動において、顧客との商談は売上に直結する重要な業務なので、営業日報においても、より一層力を入れて書くことが望ましいといえます。商談状況を詳細に書くことで、上司が案件の進捗状況を詳しく知ることが可能です。それによって、商談が難航している場合でも、上司がその要因を営業日報から分析でき、必要に応じて対策を講じたり支援したりできるので、商談活動を円滑に進められるようになります。

③定性的なコメントも混ぜる

3つ目は、定性的なコメントも混ぜて書くことです。営業日報というと、数値進捗の報告や案件状況の共有など、型式的な内容を想像してしまいがちですが、実は、営業自身が感じたことや気がついたことといった定性的な内容も、情報のひとつとして重要です。客観的な事実だけでは表現が難しい事柄も、営業の主観に基づいた意見としてなら、簡単に記載できる場合があります。そして、こういった主観的な意見にこそ、業務改善のヒントとなるアイデアが眠っていることも少なくありません。

例えば、クライアントに商品の提案を行った際に感じたことや思ったことは、直感的な粒度であっても、営業活動の改善に役立つ可能性が高いです。「〇〇の機能について触れたとき、想像していたよりも先方の反応がよかった。Webサイトでは強く訴求していない機能なので、市場における商品のイメージと顧客のニーズが乖離している可能性があると思った」といったように、現場で感じたことや思ったことは、営業方法の改善にはもちろん、会社として商品をどのように売り出していくのか?といったマーケティング戦略を検討するうえでも役に立ちます。

営業日報を書く際は、定量的な内容だけでなく、感じたことや思ったことなど、定性的な内容も含めて記載できるとよいでしょう。

営業日報の例文

提出者田中 太郎
日付2022年10月1日
今日の目標〇〇社訪問:契約内容の合意と締結
資料作成:〇〇社との商談に向けた資料。50%まで完了を目標
架電:アポリスト10件に架電
活動内容・9:00〜10:00メール対応。訪問準備。
・10:00〜12:00〇〇社訪問。契約内容について、納品日の変更はあったが、無事に締結。1週間以内に、先方より見積書を送付いただく予定。
・12:00〜14:00昼休憩後、帰社。
・14:00〜16:00新規アポリスト10件に架電。
・16:00〜18:00〇〇社との商談に向けた資料を作成。
数値進捗架電数:67/90 件(66%)
商談数:3/10 件(30%)
予実進捗:75,000/500,000 円(15%)
所感・振り返り・〇〇社訪問では、目標通り契約内容の合意締結まで進めることができた。全体の進捗としては少し遅れ気味なので、見積書が送られてきたら、すぐに対応して巻いていきたい
・新規アポリスト架電では、大手企業の担当者と繋がりをもつことができた。商談予約には至らなかったが、資料送付を希望いただいているので、確度は高い。丁寧な対応を心がけていく
明日の目標資料作成:〇〇社との商談に向けた資料。100%まで完了を目標
架電:アポリスト10件に架電
営業担当者MTG

書き方のポイントを押さえ、より目的達成に有用な営業日報を

営業日報は、その日の営業活動を取りまとめた報告書類です。会社や上司だけでなく、提出者である部下自身にとっても、さまざまな目的達成に役立つ施策となっています。

営業日報は、それ自体が直接収益と結びつかないために、形骸化しやすい施策です。そのため、設計と運用について検討する際は、書き手と読み手の双方にメリットが生まれるように内容を精査し、それぞれの負担を最小限に抑えられるよう仕組み作りを行うことが重要といえます。

また、書き手側は、書き方の3つのポイントを押さえることで、より目的達成に寄与する営業日報を書くことができます。その3つとは、数字を交えて具体的に書くこと、商談状況を詳細に書くこと、定性的なコメントも混ぜることの3つです。

ぜひ本稿を参考に、営業日報をより効果的な施策として役立ててみてください。

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