緊急事態宣言以降の「在宅勤務」で見えた、これからの働き方のヒント

こんにちは。株式会社HARES 代表の西村創一朗です。
私は複業研究家/人材コンサルタントなど、様々な角度から「働き方」に関する情報を発信しており、本連載では、「働き方」や「コミュニケーション」をテーマにお話していきます。

今回のテーマは、「緊急事態宣言以降、在宅勤務の浸透で見えた課題と事例」です。

2020年がスタートしてまもなく、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念され始め、4月7日に政府より「緊急事態宣言」が発令されました。不要不急の外出自粛要請と、仕事においても「在宅勤務」「テレワーク」が推奨され、多くの企業の方が混乱したのではないでしょうか。

従来は「出社することが前提」だった働き方が、いわば「強制的に在宅勤務」へと変化しました。きっと今回のテレワークを通じて多くの方が、「出社の必要のない仕事がこんなにあった」とメリットを感じたはず。その一方で、「自粛を兼ねた(強制的な)在宅勤務」にストレスや課題を抱えている方もいるかもしれません。

そこで今回は、私自身が感じた緊急事態宣言下の在宅勤務での課題、そして解決のためのヒントについてお伝えしていきます。

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緊急事態宣言下、「オフィス勤務→在宅勤務」で見えた課題

まず、緊急事態宣言以降のテレワークの実施率に関して、4月17日にパーソル総合研究所が発表した調査結果によると、“全国平均”として27.9%という数字が出ています。3月中旬では13.2%という結果となっており、緊急事態宣言以降2倍以上の増加率となっています(※1)。

私の友人知人など周囲を見渡すと、IT企業をはじめ、前提としてテレワークを行いやすい方が多くいるため、医療機関やインフラ、運送業を始めエッセンシャルワークに従事する方を除くと約8割がテレワークに移行している状況です。

2020年1月27日より在宅勤務へと移行したGMOインターネットグループの先進事例(※2)をはじめ、リモートワーク手当等の制度を発表する企業も多く見受けられました。

一見して順調にテレワーク移行が進んでいるようにも感じられますが、実際には課題を感じてらっしゃる方もいます。

例えば、「従来は出社が前提だった企業」に勤めている知人の中には、制度として「PCの持ち帰りができない」という方もいます。その方は、なんとテレワーク用途として、スマートフォンのみが支給されたそうです。

スマートフォン端末のみでは、メールチェックくらいにしか利用できず、ご自身で無線キーボードを購入し、ディスプレイに連携させる形で業務を遂行しているとおっしゃっていました。

上記のように、順調な企業がある一方で、制度が万全でない中で、半ば強制的な在宅勤務へと移行した企業は「この瞬間をしのぐためのテレワーク」となってしまっている実態があるのです。

また、自粛中のテレワークは、ほとんどの方が「自宅」で業務に取り組んでおり、そこで生じる課題も散見されています。

※1
緊急事態宣言(7都府県)後のテレワークの実態について、全国2.5万人規模の調査結果を発表テレワーク実施率は全国平均で27.9%。1か月前の13.2%に比べて2倍以上 - パーソル総合研究所

※2
GMOインターネットグループ、新型コロナウィルスの感染拡大に備え在宅勤務体制へ移行 | GMOインターネット株式会社

オフィスを解約し在宅勤務へ。

次に、私自身の「緊急事態宣言以降の在宅勤務」についてお話していきます。

私が経営する株式会社HARESでは、オフィスとしてコワーキングスペース「WeWork」を契約していましたが、緊急事態宣言に伴い在宅勤務に切り替え、WeWorkも4月末で解約しました(収束後に再び契約しようと考えています)。

また、スタートアップ企業界隈でもオフィスを解約し、在宅勤務を基本とする働き方を実践する企業も現れています。こうした事例は特殊ですが、業態や社員数により今後も近い事例は登場してくるでしょう。

オフィスを離れ、在宅勤務になるにあたり、私は書斎 兼 仕事スペースを自宅に設けていたため、オフィス勤務から在宅勤務への切り替え自体は非常にスムーズに進みました。Web会議ツールを使った遠隔地でのディスカッション機会も増え、企業が変わり始める機会になったように思います。

その一方で、「在宅勤務」の課題が見えてきたのも事実。「職住一体」によるセルフマネジメント力が個々人に求められるようになります。プライベート空間と仕事場が同一の空間になることで、仕事への切り替えスイッチがスムーズな方にメリットが大きい一方で、手を伸ばせば漫画に手が届く誘惑…..といったプライベートの誘惑とのせめぎあいが発生することもあります(笑)

次に、こうした職住一体により発生しうる課題を解消し、円滑に仕事に取り組む方法をご紹介します。

「在宅勤務」で仕事に円滑に取り組む方法

私自身が取り組んでいる切り替え方法として2つ意識していることがあります。

1つ目が「働く空間」は同じ家の中でもセパレートすることです。例えば、「リビングのソファではなくデスクで仕事をする」「寝室からすこし離れた場所に仕事スペースを設ける」今ある環境から実施できることもあるので、ぜひお試しください。

2つ目が「生活リズム」を意識的に整えることです。在宅勤務の場合、極端なことを言えば、始業直前に起床する……といったことも容易にできるのですが、それでは生活リズムがどんどん乱れてしまう可能性があります。そこで、通勤していた時間を散歩に充てるといった「意識的に身体を動かす」ことが大切だと思っています。完全在宅勤務だと、ほぼ体を動かさずに完結するので今までの生活リズムが乱れるキッカケとなってしまうのです。

また、人間は、「(そうした余白があれば)サボる生き物」という意識を前提として持つことが、在宅勤務のポイントといえます。何もしなければ、その環境に甘んじてしまうことを踏まえて、私は意識的に「ピアプレッシャー」を掛けています。

ピアプレッシャーというのは、同僚や友人同士で掛け合う“適度なプレッシャー”のことを指します。例えば、オンラインコミュニティなどに参加し「毎朝9時からヨガや筋トレをしよう」のように、仲間と時間を合わせて健康的な習慣を作っていくことなどを行っています。

そのほかにも、同僚と時間を合わせて、毎週○曜日に集中作業をしようとスケジュールをあらかじめ決め、Web会議ツールなどで接続しながら仕事を進めるといった方法もあります。

在宅勤務で起こりがちな“中だるみ”を防ぐ手段として活用してみましょう。

「リモートワークハック会議」というオンラインイベントを開催

上記でお伝えしてきたように、緊急事態宣言下の自粛による在宅勤務は、従来のように「場所に左右されない働き方」ではなく、「外出を自粛するための在宅勤務」です。それ故に、誰とも会わず、自宅で一人で仕事をし続けることで感じる様々な悩みや課題を感じている声を友人や仕事仲間から耳にする機会が増えてきました。

上記の悩みを感じている方をSNSで募り、「リモートワークハック会議」と銘打ったオンラインイベントを開催しました。そこでは、Remoというカンファレンス型のWeb会議ツールを使い、30名程度の規模で開催しました。

そこで課題として多く上がったのは、「同僚とのコミュニケーションが取りづらいこと」や「在宅勤務による生活習慣の変化」でした。

上記の課題を解決する方法として、例えば、「Web会議ツールを利用して一緒にゲームを楽しむ」のように、在宅勤務で分断された同僚同士がつながり、レクリエーションとして親睦を深める試みをされている方などがいらっしゃいました。そのほかに、運動不足を解消すべく自宅トレーニングツールを購入されている方など、独自に編み出した「自粛期間を乗り切るためのノウハウ」が活発に共有されていました。

第一回目が好評だったこともあり、SNS上でグループを作成しオンラインコミュニティ化を進めています。もし、ご興味があれば本記事を読まれた方もご参加ください。

リモワハックラボ:
https://www.facebook.com/groups/remote.work.hack/?ref=share

Remoとは:
https://remo.co/conference/
カンファレンス会場を模したWeb会議ツール。1テーブルあたり3~4人ずつ参加でき、数十〜数百名と、大人数の参加が可能でありながら「テーブルごとに集まったメンバー(自由に移動も可能)」と会話ができるため、オンラインイベントや懇親会のような用途に適したツール。

「出社と在宅」の選択の余地あるアフターコロナ時代を生きる

緊急事態宣言が政府から発令されてから、初めて「在宅勤務」を行ったという方も少なくないはずです。そこで、初めての経験から見えたメリットやデメリットもあるかもしれません。

現在は、如何に「今までと異なる環境下で従来と同じパフォーマンスを発揮するか」を考えることが大切です。そこで上記でお伝えした、方法を実践していただくことも1つの解決手段になれば幸いです。

この先、コロナが収束した後のいわゆる「アフターコロナ」と呼ばれる時代に向けて、私たちが考えなければならないこともあります。こうした、感染症によるネガティブな強制力による在宅勤務で見えたものを、次にどのように活かしていくかということです。

在宅勤務を通して、「身体の近さと精神の近さは必ずしもイコールではない」ということを感じた方もいるのではないでしょうか。出社していても、物理的に近くにいても接点の無い同僚もいれば、その一方で、在宅勤務とWeb会議ツールやSNSを通して、精神的な近さを感じる面もあるはず。

コミュニケーションという観点から「対面でインタラクティブな会話をする」が関係性やその密度の高さでいえば間違いありません。とはいえ、それに固執してしまうのではなく、「在宅勤務によって見えた良い点」を活かす働き方へと変化していくことが重要だと思っています。

例えば、完全に従来の出社型の働き方に戻ってしまうのではなく、「週○日の出社日を設けた上でのテレワーク制度の利用を推奨する」など、出社と在宅、それぞれのメリットを活かすという働き方もあります。

もちろん、皆さんが勤めている会社の制度や文化により、一朝一夕で「働き方」を変えられないこともあるかもしれません。まずは、自分自身で変えられる範囲でアフターコロナ時代に適応してみることから始めてみてはいかがでしょうか。


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